大山Gビール グランセゾン — 邪魔をしない、という設計

大山Gビール グランセゾンレポート

大山Gビール グランセゾン

BEER BOMBでタップから出てきたグラスは、セゾンにしては澄んでいた。このスタイルは小麦麦芽由来の白濁を持つものも多いが、グランセゾンはそちらへ振り切らず、どちらかといえばクリアな見た目に近い。

飲んでみると、苦味は抑えめで、ほのかにフルーツを思わせる風味がある。IBU30という数値は、このビールを語るうえで案外正直な手がかりで、「苦くない」と言いたいわけではなく、苦味が突出して何かを主張する設計になっていない、ということだ。ABV5.5%と合わせて、ビール自体の重量感をできるだけ薄く保とうとしている印象がある。

セゾンというスタイルはもともと、ベルギーの農村で収穫期に働く人々へ振る舞うために醸されたとされる。飲み続けられること、場の邪魔をしないことが前提にある。グランセゾンはその出発点に対して、素直な答えを出しているビールだと思う。原材料に小麦麦芽が使われていることも、口当たりの柔らかさに関係しているかもしれない。

大山Gビールは鳥取県西伯郡大山町に醸造所を置き、1999年に立ち上げられたブルワリーで、中国地方では比較的早い時期からクラフトビールを手がけてきた存在だ。グランセゾンはそのラインナップの中でも、特定の個性を前面に立てるより、飲む場面に溶け込む方向を選んでいるように見える。

飲み終えて、強く記憶に残る種類の一杯ではなかった。ただ、それは失敗ではなく、このビールが目指しているものと一致している気もする。何かに集中したい食事の席や、次の一杯を迷っているときに、さりげなく選ばれることが似合う。

研究ノート
銘柄大山Gビール グランセゾン
ブルワリー大山Gビール(鳥取県 大山Gビール醸造所 / 久米桜麦酒株式会社)
スタイルセゾン(Grand Saison)
ABV5.5%
IBU30
原材料小麦麦芽
提供形態タップ
飲んだ場所BEER BOMB
研究員評価3.5

※ 感想は個人の体験によるものです。 お酒は 20 歳以上・適量を。

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