OBAKEレポート

IPAに8%という数字がついていると、飲む前から少し身構える。重さが先に来るか、アルコールの熱が突き抜けてくるか、そういう展開を無意識に予測してしまう。ウサギヤでグラスを受け取ったFalò BrewingのOBAKEは、その予測をひとつずつ静かに外してきた。
8%の置き場所
使われているホップはMosaicとIdaho7だ。この二品種が重なると、苦味よりも先に果実の印象が前へ出る。8%という度数はどこかに確かに存在しているのだが、それがフルーツ感の奥に自然と収まっていて、前へ張り出してこない。
数字が主張しない、というのはIPAとしてやや珍しい感覚だ。強いスタイルのビールは、高い度数をそのまま体験の中心に据えることが多い。OBAKEの場合、8%は隠されているわけでも薄められているわけでもないのに、存在感の出し方がどこか控えめで、それがかえって気になる。
苦さが後ろにいる
IPAである以上、苦味はある。ただしそれが前へ割り込んでくるタイプではなく、飲み終わりにちゃんと位置を示す場所にいる。果実感が先で、苦味が後。その順番がグラスを通じて崩れなかった。どちらかが勝ちすぎる瞬間がなく、飲み切ったあとに何かが残りすぎることもない。
OBAKEという名前は、度数の大きさとビールの実際のシルエットとの落差を、ブルワリー自身が少し意識しているように読める。8%のIPAを「お化け」と名付けながら、その中身は驚かしよりも均衡に近い。確かめる術はないが、飲み終えてから名前を見返すと、その組み合わせが妙に腑に落ちた。
次に見かけたら、また頼むと思う。
| 研究ノート | |
|---|---|
| 銘柄 | OBAKE |
| ブルワリー | Falò Brewing(ファロブルーイング) |
| スタイル | IPA |
| ABV | 8% |
| 使用ホップ | Mosaic, Idaho7 |
| 生産国 / 生産地 | 日本 |
| 提供形態 | タップ |
| 飲んだ場所 | ウサギヤ |
| 研究員評価 | |
※ 感想は個人の体験によるものです。 お酒は 20 歳以上・適量を。
